牧阿佐美バレヱ団『ノートルダム・ド・パリ』 稽古場訪問&インタビュー|2020都民芸術フェスティバル 公式サイト

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牧阿佐美バレヱ団『ノートルダム・ド・パリ』 
稽古場訪問&インタビュー

牧阿佐美バレヱ団『ノートルダム・ド・パリ』

カジモド役 元吉 優哉さんインタビュー

元吉 優哉(もとよし ゆうや)


元吉 優哉さん

5歳からバレエを学び、15歳から3年間、モナコ王立グレース王妃記念バレエアカデミーに留学。スイスのシネボックス・ジュニア・カンパニー、ドイツのニュルンベルク州立バレエ団で踊り、2013年、牧阿佐美バレヱ団に入団。シャープな踊りを持ち味として、ドミニク・ウォルシュ振付「牧神」の牧神/鉱石、「眠れる森の美女」の長靴を履いた猫、「白鳥の湖」のマズルカ、「くるみ割り人形」のトレパック、「飛鳥ASUKA」の紫竜など、古典からコンテンポラリーまで幅広い作品を踊っている。2019年6月「リーズの結婚」で、怪我で降板した主役の代役を務め、演劇的な表現力を求められる青年コーラスを溌剌と踊り注目を集めた。12月には「くるみ割り人形」に主演。

カジモドとはどのような役柄なのでしょう。

ノートルダム寺院の鐘つきをしている男性です。生まれながらに醜い姿なのですが、それでも夢があってとてもやさしいという役です。醜い男が主役という作品は珍しく、僕もカジモドのような人物を踊るのは初めてです。バレエらしく、美しく華やかに見せるのではなく、醜く見せなければいけないのですから、どう表現するかが難しいところですね。動きも独特で、常に右肩を上げているのが特色です。その状態で踊るのでリハーサルの今は苦労していますが、これからカジモドという人物像を自分の中に落とし込みたいと思っています。

ローラン・プティの『ノートルダム・ド・パリ』にはどのような印象をお持ちですか?

前回は群舞の中で踊っていたので「激しい踊り」というイメージが強かったのですが、今回カジモド役をいただき、非常に複雑なストーリーの中で「動きで見せる」緻密さがよくわかりました。「よくぞこんな大作を!」という畏敬の念を新たにしました。

『ノートルダム・ド・パリ』の見どころをお聞かせください。

1幕の群舞は迫力がありますし、2幕は逆にカジモドひとりで鐘の上から降りてきて自分を表現するというシーンが印象的です。さらにその後、エスメラルダとのパ・ド・ドゥがあるのですが、ここはぜひ踊りと同時に表現も観ていただきたいですね。

稽古風景

元吉さんにとって牧阿佐美バレヱ団とはどのような存在でしょう。

日本でこれだけレパートリーが多いカンパニーはないと思うので、すごく挑戦的だと思います。そのようなカンパニーに所属し、カジモドのような役をいただけるのはとてもうれしいです。

昨年12月の「くるみ割り人形」では今回フロロ役の清滝さん、水井さんと共に王子役を務められました。おふたりをどのようなダンサーだと思われますか?

清瀧さんは自分が入団したときから主役を踊っていた先輩で、いつも見ながら勉強させていただいていました。水井君はすごく正確な踊りをするので、そこから学ぶものが多くあります。ふたりとも素晴らしいダンサーだと思います。

フロロ役 清瀧 千晴さんインタビュー

清瀧 千晴(きよたき ちはる)


清瀧 千晴さん

日本ジュニアバレヱ、AMステューデンツ、橘バレヱ学校などで学ぶ。2003年、ボリショイ・バレエ学校に留学。2004年、埼玉全国舞踊コンクール・成人の部で1位、2007年、全国舞踊コンクール・バレエ第一部で1位を受賞。2006年「リーズの結婚」でアラン役に抜擢、高い評価を得た。2008~09年、文化庁新進芸術家海外留学制度の研修員としてボリショイ・バレエ団等に在籍し1年間の研修を積む。2009年牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」で主役デビュー。「ドン・キホーテ」「リーズの結婚」「ロメオとジュリエット」「白鳥の湖」「飛鳥ASUKA」に主演、「ノートルダム・ド・パリ」のフロロなどを踊る。常に音楽に寄り添う演技と高いテクニックが多くの観客を魅了している。

今回は2016年に踊って以来、2度目のフロロ役ですね。

1回目はフロロ役を務めあげることに必死で余裕がありませんでしたが、今回は2回目ということで余裕が出てくる部分もあるので、作品や役柄のことを前回以上に掘り下げて表現できたらいいなと思っています。同じ役柄を踊るのは、リハーサルを積み重ねていく分、考えることも増えていくので、新しい解釈や表現が追及できる点が面白いですね。一方、観に来てくださるお客様は前回以上のものを期待されているので、それだけ視線も厳しくなります。期待に応えるプレッシャーはありますが、そこがやりがいにもつながっています。
人は誰もが心の中に悩みや葛藤を抱えていると思いますが、フロロはそれが色濃く表れたキャラクターなので、観ている方がフロロに対して「そういうこともあるよな。そんな気持ちになってしまうのも仕方ないのかな」と共感できる部分を出したいですね。負の感情は隠したくなったり眼をそむけたくなったりする部分ですが、フロロの存在でそこがさらけ出されることにより、カジモドの精神的な美しさやエスメラルダとの関係性を浮き立たせることにもなります。

フロロならではの踊りの特色はありますか?

型としてはシンプルですが、緩急の差が激しかったり、ほかの役よりも直線的な動きが多かったりするところが特色です。そこがフロロの置かれている立場や感情を表しているのだと思います。

稽古風景

『ノートルダム・ド・パリ』の見どころをお聞かせください。

プティの作品には一切の無駄がなく、音楽とダンサーの動き、舞台装置と衣装の構成が一瞬のすきもないほどうまくできているので、まさに全編すべてが見どころだと思います。僕も3回ほど客席からこの作品を観ていますが、そのたびに「あ、もう終わっちゃった」と思うほど引き込まれました。どのシーンを切り取っても印象に残るので、ぜひ全幕目を凝らして観ていただきたいです(笑)。

カジモド役の元吉さん、フロロ役の水井さんはどのようなダンサーだと思われますか?

ふたりとも持っているものがとても素晴らしく、魅力的なダンサーです。これからのバレエ界を牽引していく存在になると思うので、すごく期待しています。

清瀧さんにとって牧阿佐美バレヱ団とはどのような存在でしょう。

もともと家族ぐるみで牧阿佐美バレヱ団が好きで、小さい頃から一家で観に行っていました。また、僕自身も幼少時から日本ジュニアバレエ、A.M.スチューデンツ、橘バレエ学校に入団し、ダンサーとしての基礎を学ばせてもらいました。途中海外にも行きましたが、さらにメインとなる期間のキャリアを積ませていただいたところなので、今や親のような、先生のような存在ですね。ここでこれだけメインとして踊らせていただけるのは本当にうれしいし、光栄なことだと思っています。

フロロ役 水井 駿介さんインタビュー

水井 駿介(みずい しゅんすけ)


水井 駿介さん

佐渡バレエフレンド、日本ジュニアバレエ新潟支部、AMステューデンツで学ぶ。子役として牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」フリッツ役、新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」に出演。2009年よりウィーン国立歌劇場バレエ学校に留学。2010年、シチリアバロッカ2010・国際バレエコンクールのクラシック・ジュニアの部で第1位受賞。2011年、ウィーン国立バレエ学校を首席で卒業し、ウィーン国立バレエ団に研修生として入団。2012年、ポーランド国立バレエ団に入団し、2016年にコリフェに昇格。2019年7月、牧阿佐美バレヱ団に入団。10月公演「三銃士」でアトスを踊った。ポーランド国立バレエ団では「眠れる森の美女」ブルーバード、「ラ・バヤデール」ブロンズアイドル、「ロメオとジュリエット」マキューシオのほか、フレデリック・アシュトン、ピエール・ラコット、ジョン・ノイマイヤー、ジョン・クランコ、イリ・キリアン作品などを踊っている。

フロロは初役とのことで、どのようなフロロつくりあげたいと思われますか?

今はまだ完全に「これがフロロ!」と固まってはいなくて、リハーサルを重ねながら模索中です。表向きは聖職者という崇高な立場でありながら、心の中では嫉妬とか独占欲が渦巻く人物なので、そのギャップを出していけたらと思っています。

稽古風景

昨年7月に入団されて半年が過ぎましたが、入団前と後では牧阿佐美バレヱ団に対する印象や思いに変化はありましたか?

小さい頃には牧系列の教室で、子役で出させていただいたり、A.M.スチューデンツのクラスにも通っていたりしたので、牧阿佐美バレヱ団にも知っている先生や先輩がたくさんいました。そのおかげで、入団時も見知らぬところにぽんと入った感じはなく、すんなり溶け込めました。今は伸び伸びと過ごせています。

『ノートルダム・ド・パリ』を含むローラン・プティの作品にはどのような印象をお持ちでしょう。

プティの作品はウイーンで『アルルの女』を観たのが最初です。最後の男性のソロが、鳥肌が立つほど印象的だったのを今でもよく覚えています。『ノートルダム・ド・パリ』は、実はこれまで観たことがなかったのですが、今回初めて動画を観たときに、その迫力に圧倒されました。登場人物の感情表現が役ごとに細かくはっきりしているのも、非常に面白いと思います。

『ノートルダム・ド・パリ』の見どころをお聞かせください。

全幕を通してのカジモドの感情の移り変わりの表現はもちろん見どころです。また、メインの登場人物4人のキャラクター設定が明確、かつそれぞれがまったく違うキャラなので、その4人の関係性が踊りでどう表現されているのか、さらに群舞の迫力なども見どころだと思います。

都民芸術フェスティバル公式サイトをご覧のみなさまにメッセージをお願いいたします。

清瀧 千晴さん、元吉 優哉さん、水井 駿介さん

ローラン・プティ、『ノートルダム・ド・パリ』は、日本では牧阿佐美バレヱ団でのみ上演を許された作品です。しかも今回は生オーケストラでの上演です。3月14、15日、文京シビックホールで上演します。ぜひお越しください!

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