宮本 舞さん 二見一幸さん 田保知里さん 馬場ひかりさん
にインタビュー

現代舞踊公演「時空をこえる旅-舞台-へようこそ」
運命/連鎖/宇宙 世界の始まりのための3つの異界(アナザーワールド)

時をこえて、ついにつながった。最高峰ダンサーたちの競演

ひとりの作家や振付師の舞台という形で上演されることが多い、現代舞踊。コンテンポラリーダンスという呼び方でも知られる舞台芸術ですが、都民芸術フェスティバルではさまざまな作家が集い、『時空をこえる旅-舞台-へようこそ」という一つの作品が上演されます。それぞれの振付を担当された4人のダンサーにお話をうかがいました。 現代舞踊公演「時空をこえる旅-舞台-へようこそ」
運命/連鎖/宇宙 世界の始まりのための3つの異界(アナザーワールド) 公演情報はこちら


宮本 舞 (みやもとまい)
『ZONE-境地-』

正田千鶴モダンダンスフラグメントなどに参加しあらゆる公演を経験。ダンスユニット、ZERO to INFINITYを立ち上げニューヨークでも自主公演を行う。現在は講師として後進の育成にも励み、ダンサーとしても振付師としてもあらゆる賞を手にしている。

二見一幸 (ふたみかずゆき)
『CHAIN EFFECT』

舞踏家、庄司裕に師事。La Danse Compagnie Kaleidoscope(ダンスカンパニーカレイドスコープ)、Dance Brick Box(ダンスブリックボックス)主宰。ダンサーとしてだけでなく講師としても数多くの賞を受け、幅広い活動を行っている。

田保知里 (たやすちさと)
『CHAIN EFFECT』

舞踏家、庄司裕に師事。東京新聞全国舞踊コンクール1位文部大臣奨励賞などたくさんの賞に輝く。東京都立総合芸術高等学校特別専門講師。ICHIBANGAI Dance Studio講師。

馬場ひかり (ばばひかり)
『COSMIC RHAPSODY-宇宙狂詩曲-』

幼少よりダンサー、芙二三枝子に師事。現代舞踊協会新人賞など数多くの賞を受賞。HIKARI BABA DANCE COMPANY 主宰。日本女子体育大学非常勤講師。現代舞踊協会理事も務める。

宮本 舞さん『ZONE-境地-』

何一つとして同じものがない、コンテンポラリーダンスの世界

──『時空をこえる旅-舞台-へようこそ」はどんな作品でしょうか?

宮本 世界観がまったく違う作家が集まって作る舞台。それぞれの世界観を感じられるのではないかと思っています。統一のテーマが「時空をこえる」という大きなものになっていますね。コンテンポラリーダンスには1つも同じものがない。その醍醐味を味わえると思います。


運命を切り開く、その思いが2年のうちにより凝縮された

──宮本さんが作られた『ZONE-境地-』という舞台はどんな作品でしょうか?

宮本 実は2年前に上演する予定だったのですが、コロナ禍で叶わなくなってしまいました。ただ、この作品のテーマはたまたま「運命」。決められた道を行くのか、自分の道を行くのか。私はやはり、運命に流される方ではなく、自分で切り開いていく運命というものを強く出したいと思っています。それこそ運命のような抗えない現実に巻き込まれ、2年前は上演できなかったわけですが、これに屈しなかったダンス界、みんなの想いがあったから切り開いて今回のチャンスがやってきました。まさに、このことを表したいと思っています。私の中の作品のテーマは前進、進化。とにかく前に行くというものなのですが、この2年間を経てさらにそれが極まったと感じていますね。

純粋にダンサーの身体美や、舞台の光を感じてほしい

──これまでダンスと接点がなかった方でも楽しめるでしょうか?

宮本 ダンスでは言語化できないもの、見ているそのものをキャッチしてもらうことになると思います。単純にダンサーの身体美を見ていただくというのも一つの方法ですね。私たちは言葉ではなく体で表すということをやってきているので、そこにある身体美のようなものを見ていただきたいですね。また、私の作品は照明、光を展開しそれとコラボレーションするものなので、そこも大きな見所になっています。


「よし!」と、気持ちが弾む作品をご覧いただきたいです

──お客様にメッセージをお願いします

運命を切り開くということを全身全霊で表現するような作品を作っています。なかなか外に出るのが大変な状況の中ではありますが、少しでも気持ちが弾むというか、「よし!」とお客様に思っていただけるように邁進しております。ぜひご覧いただきたいと思います。

二見一幸さん 田保知里さん『CHAIN EFFECT』

時を経て同じ舞台で出会った、3つのダンス

──今回の舞台、『時空をこえる旅-舞台-へようこそ」の見どころを教えてください

二見 バックグラウンドが違う作家たちが、それぞれ作品を持ち寄って上演します。いろいろな時間をこえてきた3つの作品が時を経て、同じ舞台で顔を合わし一つの舞台を共有していく、それが大きなテーマなんです。宇宙、時間、つながりなど、そういったものがそれぞれ連鎖していくということですね。

何度も再演され、新しいものになってゆく作品

──お二人が担当される『CHAIN EFFECT』という作品はどのような踊りなのでしょうか?

二見 映像、照明、音楽そして身体、つまりダンサーですね。この4本の軸が絡み合い「エフェクト」として効果を上げていくというのがテーマです。映像、音楽が激しく行き交う作り込まれた舞台の中で、生身の身体がどう自立し、どう主張して、どう一つの方向を目指しているかを表現しています。

田保 こちらの作品は20年前に初演されたものなんです。何回か再演されているのですがその度に違っているので、今回もまた今までと違うものに仕上がっていると思います。そこがやはりコンテンポラリーダンスの面白さですね。メンバーも入れ替わり若手から、ずっとこの作品を踊っているダンサーもいて、今までとはまた違った作品になっていますね。

集団で生み出すもの。生身の人間のエネルギーが見所

──ずばり、現代舞踊の魅力とはどこにあるでしょうか?

二見 自分だけでなく、他者を動かすという作業がコンテンポラリーダンスの最大の魅力で、一生突き詰めないといけないと感じていますね。もちろんソロダンスの魅力もありますが、作品を作る、より強度のあるダンスを見せようと思ったら「集団」というものが大切だなと思っています。

田保 踊っている瞬間は一瞬にして消えていってしまう。その記憶をたぐり寄せて想像できる、豊かな気持ちになれるというのが現代舞踊の素晴らしいところ。生身の人間が出すエネルギーや緊張感、呼吸を見ることで受け取れる「変化」を感じてほしいですね。

少しでも何かを感じてほしい、その想いで作りあげます

──お客様にメッセージをお願いします

二見 劇場に足を運んでくださるお客様には本当に感謝でいっぱいです。僕らも、お客様に少しでも何かを感じてもらいたいと頑張っていきますので、ぜひ楽しみに待っていてください。

田保 魅力がお伝えできるように、みんなで準備しております。劇場にてお待ちしております、よろしくお願いします。

馬場ひかりさん 『COSMIC RHAPSODY-宇宙狂詩曲-』

次元をこえるほどのインパクトがある舞台になる

──『時空をこえる旅-舞台-へようこそ」にはどんな想いが込められているでしょうか?

馬場 舞踊のスタイルはみんな違うんですけど、非日常というか今の現実ではないという舞台を作りたいという想いは共通だったと思います。それで、このタイトルがつけられました。次元をこえてしまうくらいのインパクトある作品になるんじゃないかと思っていますね。体のコミュニケーションがしにくくなっている中で、舞踊はやはり尊いものではないかと感じています。それを観客の皆様と共有したいです。

宇宙の中で生まれ、消えてゆくものたち。そしてそのつながり

──馬場さんが振付された『COSMIC RHAPSODY-宇宙狂詩曲-』はどのような作品なのでしょうか?

馬場 ストーリーがあるわけではなく、抽象表現。その中で、命の誕生、終焉という私が描いてきたテーマを感じてもらえたらと思います。人間だけでなく、宇宙レベルで考えると何億光年という長い歴史の中で、破壊、消滅、そして誕生、再生が繰り返されているわけですね。偉大な宇宙に包まれている人間が、つながっているということに、私はとても面白みを感じています。もちろん人それぞれの人生があるけれど、社会があったりほかの人がいたり。それらがつながっているというのが、とても面白い。命をつなげていくということ、それ自体が舞台の中に出てくるんじゃないかと思います。

アートを見るのと同じ。ダンスは考えずに感じ取るもの

──初めて現代舞踊を見る人が楽しむコツがあれば教えてください。

馬場 モダンアートを見るのと同じように、見たものをそのまま感じ取ってもらうというのが大事だと思うんですね。あまり固定概念や先入観を持たずに、見て感じる……見る人によりいろんな解釈があっていいと思うので、本当にそのままを感じ取ってもらえればいいかな。言葉で表せないことを体で表現しているので、舞台と観客、その場でしか生まれないエネルギーや化学反応を感じてほしいですね。

ダンスを見るという経験を、楽しんでほしいです

──お客様にメッセージをお願いします

馬場 劇場に来て良かったと思えるような舞台を、私たちは踊りきります。それを楽しみに見ていただければ、その一言です。お客様はそれぞれ人生のフィルターを通して舞台を見るわけですよね。人によってはそれで体が震えたりもする。そういう出会いって今はなかなかないので、ぜひダンスを見るということをみんなに楽しんでいただけたらと思います。

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