多田直人さん、カゴシマジローさん、千葉瑞己さんにインタビュー

トム・プロジェクト プロデュース「ソングマン 〜翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部〜」

若者も大人も胸を熱くする、全世代に向けた青春爆発エンターテイメントです。

高校生の青春を描く作品ながら、あらゆる世代が楽しめる。多田直人さん、カゴシマジローさん、千葉瑞己さんはこの作品の魅力をそう話します。さらに丹念に描かれるキャラクターそれぞれの想いも大きな見どころ。「ソングマン」がどんな舞台になるのか、御三方に語っていただきました。

多田直人(ただ なおと)

俳優。桐朋学園大学短期大学部芸術科演劇専攻を経て、2004年、演劇集団キャラメルボックスに入団。さまざまな舞台に出演を重ねながら、ナレーションやラジオドラマなど幅広く活動。

カゴシマジロー(かごしまじろー)

俳優。渋谷ビデオスタジオ 東京アクターズスタジオ19期卒業。所属する劇団TRASHMASTERS やトム・プロジェクトの作品をはじめあらゆる舞台に立つ。映画、テレビドラマでも活躍。

千葉瑞己(ちば みずき)

俳優。2017年よりさまざまな舞台に出演。アニメ、ゲームの声優としても数多くの作品に参加する。ラジオやYouTubeなどのさまざまなコンテンツにも携わる。

音楽を通して描かれる、高校生たちの瑞々しい青春物語。

──「ソングマン~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~」はどんな作品?

多田 ある落ちぶれたミュージシャンがひょんな事から、とある高校の男子コーラス部の特別顧問になってしまいます。そして、音楽を通じて生徒たちと交流し、彼らの等身大の想いや悩みを受け止めていく。そのなかで周りの大人たちも少しずつ変わっていき、一歩踏み出していく。そんな青春爆発演劇です。

インパクトあるキャラクターたち、内面描写も大切。

──みなさんが演じられる、役について教えてください

多田 僕の演じる神崎陽次は、一癖も二癖もあるヤツです。元有名バンドのギタリストで、一言で言うと破天荒。台本をいただいてまず思ったのが、陽次がいっぱい出ているということ(笑)。登場シーンがとにかくたくさんあるんです。そのうえ結構しゃべる。主人公が周りから影響を受けて物語が進んでいくという構図の作品もありますが、「ソングマン」では陽次が周りの人たちに影響を与えて物語が進行していくという逆の流れになっています。それだけパワーがある魅力的な人物だと思っています。

カゴシマ 僕は主人公、神崎陽次のお兄さん、神崎陽一郎を演じます。コーラス部の顧問になったけど音楽のことが全くわからない。誰か特別講師がほしいというところに弟の陽次が帰ってきて彼に指導してもらうようお願いするんです。陽一郎は陽次にとにかく振り回される役。台本を読んだときに、「見守る」役だなと思ったんですけども、演出家からは落ち着かないで、陽次に振り回されてということも言われましたね。当初の僕のイメージとは全然違う形になってきていますね。

千葉 僕が演じる向井翔はコーラス部のムードメーカー的な存在。「モテたい」なんていうセリフが出てくるくらい楽天的で、女の子が大好きでとにかく明るい男の子です。そんななかでも彼なりのいろんな想いや考えがあり、陽次先生との交流などを通して、実はこんな子だったんだ、というのがだんだんわかってきます。ビジュアルは髪に金色のインナーカラーが入っていてなかなか派手なんですが、実は意外と大人っぽくて周りを俯瞰して見てバランスをとっている部分もあるんですね。そういう内面とのギャップを演じきって、ほかのコーラス部員たちと作品を盛り上げられたらいいなと思っています。

多田 コーラス部の部員は5人で、みんなキャラクターが立っているので、本当に楽しいコーラス部になると思います。一人一人に悩みがあり、それぞれの想いがあるというのが面白いですね。

「歌」が重要な物語。想いを乗せて、気持ちを伝えたい。

──作品の見どころは?

多田 ずばり歌です。僕も歌うんですけれどやはり生徒たちの歌を観ていただきたいです。『ソングマン』というタイトルでコーラス部の話ですから、歌がひとつの大きな見どころ。男たち5人が整列して歌っているだけで、もうなんか良い雰囲気なんですよ。歌自体もとても良く、これがお芝居の中でうまく合わさって相乗効果が生まれるといいですね。

カゴシマ 僕も本当は歌を歌いたかったんですが、僕自身には歌うシーンはありません(笑)。でも、やはり歌が見どころ。実際に陽次や、生徒たちが歌っている姿を見たときに、歌が伝える力はすごいなと感じました。お話のストーリーが積み重なって、最終的にあふれ出る気持ちもあって、それに歌が乗っかる。それは、すごく気持ちが伝わる素敵なことだと感じました。

多田 このタイトルなのでミュージカルと勘違いされるんですけど、ミュージカルではないんです。音楽を題材にしたお芝居。ハードルを下げるわけではありませんが、ミュージカル作品ではないので、めちゃくちゃ歌がうまいというわけじゃない(笑)。でも、みんなそれぞれ奮い立たせながら歌っているところは必見です。

カゴシマ みんな『ソングマン』というより『ソウルマン』だからね!

千葉 僕らコーラス部と陽次先生が同じ方向を向いていくという意味でも、歌は大事な存在になります。それに加えて、それぞれの役が抱えている気持ちや想いのようなものをお客様に伝えたいとも感じていますね。みなさんの心の琴線に触れる部分もきっとあるはず。本当にいろいろな人、老若男女に楽しんでいただけると思っています。

多田 生徒たちだけじゃなくて、大人側には大人側のドラマがあります。かつて素敵な青春を過ごした人にも、そうじゃない青春を過ごした人にも観ていただきたいなと思います。

千葉 世代によって感じ方が変わる作品とも言えますね。多くの世代の方々に観ていただけたら嬉しいです。

観にきてくれる人と共に作る。互いに与え合うコミュニケーション。

──舞台演劇の魅力とは?

多田 劇場という空間そのものが演劇の魅力だと思っています。僕らはお客様に楽しんでいただけるように頑張って演じているわけですけれども、それはきっかけに過ぎないんです。そこに集まってくれた数百人のお客様、それぞれが固唾を飲んで見守ってくれたり、一緒になって笑ったり、そうすることによって生まれる空間、感情の渦。それはやはり劇場でしか体感できない感覚なんですね。生の人間がそこで演じて、生の数百人の観客たちがさまざまなことを考えながらその場にいる。お客様も実は作品を作っている一部というのは演劇ならではだと思います。これは口で説明しても伝わらないところであるので、ぜひ劇場で体感していただきたいです。僕自身、お客様に助けられてやっているなとずっと思っていて、相互関係で作品が生まれているように感じています。

カゴシマ 僕もお客様を含めたものが作品の一部かなと思います。例えば客席では咳をする人も携帯鳴らす人もいる。俳優は、それらも含めて全て演劇の空間だと思ってお芝居をしています。お客様も変われば、こちらも絶対に変わるんですよ。回数をこなしていくと演じ方や心の部分も変わっていく。僕たちは、その空間の中で物語を伝えていく。それを観たお客様が自分の思い出に気持ちを投影して、ちょっとでも人生の糧になってくれるといいですね。そんな力があるのが演劇のように思っています。


千葉 お二方もおっしゃっているように、役者とお客様が同じ空間にいる。それゆえの没入感もあります。お客様と一緒に空間を満たして、舞台を作っていきたいですね。そのなかで僕らから与えられるものがあったり、逆にお客様から与えていただくものもある。そういったコミュニケーションと言ってもいいですね。演劇ならではのライブ感が魅力だと感じています。

多田 舞台というと難しく考えてしまうかもしれませんが、初めて観に来る方は、友達など誰かと一緒に観に来てほしいですね。1人で悶々として帰るよりは、感想を言い合えると絶対いいと思う。友達とどこかに遊びに行こう、くらいのノリで来て楽しんでくれたらうれしいです。

歌声とともにメッセージをしっかり届けます。

──お客様へメッセージをお願いします

多田 ふらりと観に来たお芝居が、人生を変えちゃうこともあるかもしれません。そのために僕たちは頑張っていますので、ぜひお気軽に劇場まで足を運んでいただければと思います。お願いします。

カゴシマ 人生ゲームやすごろくのような作品です。いろいろな所に行ってドタバタして、最後はゴールを迎える姿を観ていただいて、みなさんに笑顔になってもらえればと思います。

千葉 この作品は、高校生がいて、大人がいて、その中でいろいろな人間模様が繰り広げられます。熱くなったり、温かくなったり、そしてちょっと切なくなったり……。たくさんの人に観ていただいて、メッセージや、気持ちを受け取っていただけたら嬉しいです。


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